介護士も「たん吸引」ができるようになります

喀痰吸引・経管栄養が介護職でも可能に!

たん(痰)の吸引や経管栄養に代表される
「介護の現場で必要とされる軽微な医療行為のこと」を医療的ケアと呼びます。

 

たん吸引や経管栄養の許可

 

介護職の方は法律的にやってはいけない決まりで不便な現実

医療行為は生命の危険を伴うため、従来では医師や看護師のみ行うことができました
しかし、寝たきりの利用者さんなどは日常的にたんの吸引を行う必要があります。

 

その度にいちいち看護師さんを呼んで、喀痰(かくたん)吸引してもらうという手間をかける必要がありました。

 

中には苦しんでいる利用者さんのためにと思って、介護職の方が実施してしまったという事例もあります。
こうした行為は本来は罰せられるものでした。

 

ですが、必要に迫られてやむを得ず行ったら罰せられるということでは、あまりに介護現場が回りません。

 

そこで、従来は、一定の研修を受講すれば、遡って許されるという例外的措置が取られました。
つまり研修を受ける前に、現場で「たん吸引」を行ってしまったとしても、後で研修を受ければそれは罰せられない。ということです。

 

何だか実務に対して無理やり法律をねじ曲げたみたいで不自然な形ですよね。

 

ちなみに、この研修はすでにたん吸引の実績がある人のみを対象としたもので、新たにたん吸引をしようとする人は受けられないものでした。

 

このように介護の現場では医療行為が必要とされるケースが多発しており、いつまでも例外的措置のままにしておくわけにはいきませんでした。

 

介護職でも可能になった医療行為

きちんとした研修を受けたことがない介護職の方が、万が一事故を起こしてしまっては大問題になります。
そこで、介護職でも、

  • たんの吸引
  • 経管栄養

などの医療的ケアに限り許可されることになりました。

 

そのための研修が実務者研修の中にある医療的ケアについての演習です。

 

実務者研修の中の医療的ケア

実務者研修では、主に人形を使って医療的行為の演習を行います。
医療的ケアの時間数は50時間と定められていますが、演習については時間数よりも演習の回数によって修了要件が決まっています

 

これは命に関わる行為に繋がるため、他の演習のように時間数をこなしただけでは技術の習熟が一定レベルまで達しないためです。
この実務者研修における医療的ケアを学ぶことで、

  • レポート課題による知識面
  • 演習による実践のための技術

を向上させることができます。

 

ただ、多くのスクールでは実際の人間に対して実習を行うことができません。
また、実習に協力してくださる方を見つけることも困難なためです。

 

こうした部分でも、制度上目指すべき目標と現実との間にギャップが生まれてしまっています。