ヘルパーさんと信頼関係を構築しよう

登録ヘルパーへの接し方・まとめ方

訪問介護事業所には、たくさんのヘルパーさんが登録して働いています。

 

サービス提供責任者は、そのヘルパーさん達にケアの仕事の割り振りを調整していくのですが、

  • コーディネートしていく為に
  • 利用者にとってより良いケアを行っていく為に

ヘルパーさんとの信頼関係が大切になってきます。

 

信頼関係が大事

 

ヘルパーさん達とどうやって信頼関係を構築するか?

(1)ヘルパーとコミュニケーションをとり、人間性を把握する

事業所に登録してくれているヘルパーさんは、様々な方がおられます。

  • 仕事の経験の長い人、浅い人
  • 年齢、性格などパーソナルな部分の違い
  • 稼働できる時間の違い
  • 移動の手段の違い

皆さん性格面で色々な特性を持っていますし、家庭の事情もあって仕事の制限(条件)もお持ちです。

 

ですからケアを依頼する時は、サービス提供責任者はヘルパーの都合等に合わせて調整していきます。

 

その時にヘルパーそれぞれの制約条件はもちろんですが、普段から電話のやりとりだけでなく、ヘルパーさんが事業所に来ているときにコミュニケーションをとり、

  • 性格
  • 得意な部分
  • 苦手な部分

なども把握しておくことが大切だと思います。

 

それによってヘルパーにとっても自分が親しみやすい存在となれるし、ケアを依頼する際の目的、ケア時に注意してほしいこと等、的を得て伝えることができます。

 

また、ヘルパーもサービス提供責任者に遠慮なく質問できるなど、より丁寧な依頼ができるようになります。

 

(2)ヘルパーの想いをくみ取る力も必要

ケアに入っているヘルパーは、利用者と1対1で行っている中で、様々な葛藤や想いを持っています。

 

報告書だけでは読み取れない部分、またヘルパー自身も気づいてない部分もあります。

  • 実はこんなことで悩んでいる
  • こういう場合はどうしたら良いのだろう

それぞれに何かを感じながらサービスを提供しています。

 

自分から積極的に話してくれるヘルパーならまだ良いですが、なかなか言えないヘルパーもいます。
報告書の記載文や、サ責自身がケア内容で気になっている部分、予想される事柄など、こまめに聞いていくことが大切だと思います。

 

聞けば「実はこんなことがあった。」など、話してくれることもあります。
このように丁寧にヘルパーを見守っていくことで、未然に事故を防げたり、より良いサービスにつなげていくことができます。

 

サービス提供責任者は定期的に利用者の状況把握の為に訪問すると思います。

 

その際に、例えば訪問する時間をヘルパーのケア時間の終わりくらいに合わせて訪問すると、利用者の把握と兼ねてヘルパーのケアの様子や、ヘルパーと利用者の間の空気感のようなもの(現場の雰囲気)を知ることができます。

 

その時に気づいたこと等、ヘルパーに声をかけ聞いてみるのも良いと思います。

 

ヘルパーが仕事をいきいきとできるように寄り添っていくこともサービス提供責任者の役割です。
またそれが利用者にとってもより良いケアにつながっていくのではないかと思います。

 

ヘルパーをまとめること

サービス提供責任者としてヘルパーをまとめていくためには、サ責だけがヘルパーさんのことをを知っているのではなく、「お互い共に働く仲間である」という意識付けをしていくことが大切であると思います。

 

(1)ヘルパーへの研修の機会が顔見知りになるきっかけ

サービス提供責任者は登録ヘルパー全員のことを知っていますが、ヘルパーはそれぞれ個別に仕事に入っているのでヘルパー同士は顔を合わせたことがなかったりお互いをよく知らない場合が多いです。

 

ですから、事業所で行う研修会などの機会があると、ヘルパーさんが一同に会することができて、とても良いきっかけになると思います。

 

研修は、

  • 介護の技術
  • 対人援助の方法

などさまざまな内容を開催しますが、私が研修を行うときは、共通して「参加型」の内容を積極的に取り入れました。

 

座学で講義を聞くだけにしてしまうと、集中力も保ちませんし、せっかくヘルパーが一同に会しているのに互いにコミュニケーションがとれないのはもったいないと思ったからです。

 

具体的には、研修会で学習することを通じて、

  • ヘルパーが互いにペアになって何かをしたり
  • グループで話し合う

カリキュラムにしました。

 

そうすると、同じヘルパー同士でケアを行う中での苦労を分かち合ったり、感じていることを共有できます。

 

それがコミュニケーションのきっかけとなって、共に働く同士としての意識付けのきっかけになったり、ヘルパーの勇気づけの機会になっています。

 

(2)ヘルパー同士が互いにフォローし合える関係をつくる

利用者ひとりのケアに対して、「ヘルパー2、3名が同じ利用者のケアに入れる状態」になるようしておくことがベストなのではないかと考えます。

 

もし、ひとりのヘルパーが急な体調不良等でケアに入れなくなってしまっても、代わりにその方の状態を知っているヘルパーがいれば、利用者にとっても安心してケアを受け入れることができるからです。

 

そして、複数のヘルパーが利用者のケアに入っていく際、ヘルパー同士が普段からコミュニケーションを取ることができていればケアの引き継ぎや連携もしやすくなります。

 

例えば、「イレギュラーなことがあり決められた時間に予定の内容がこなせなかった」といったことがあったとしても、次の時間、曜日に入る別のヘルパーに引き継ぎ、その部分を上手くフォローしてくれる、なんてことも実際スムーズに行えていました。

 

ヘルパーの報告を聞きながらサ責は次に入るヘルパーに必要なことを伝えますが、そんなことがあっても、ヘルパー同士普段の関わりがあれば快安く引き受けてくれます。

 

サ責はワンマンでヘルパーをまとめることなどできないと思います。ヘ
ルパー同士がつながり、支え合える関係づくりをしながら、「助けられ上手」になっていくことも必要なことではないかと思います。

 

ヘルパーとして自分がケアに入るとき

私がサービス提供責任者をしていたとき、実際にヘルパーとしてケアに入らなくてはいけない場合もありました。
その時に感じたことを書いていきたいと思います。

 

サ責もヘルパーの仕事をこなします

 

(1)ヘルパーとしてケアに入る場面

ヘルパーの調整をしシフトを組んでいても、当日になって予定していたヘルパーが体調不良などでケアに入れなくなってしまう場合があります。

 

他のヘルパーを調整しようとしても、他のヘルパーも都合が合わなかった時は、自分自身がスポット的にケアに入っていました。

 

その場合は利用者にも事情を理解してもらいながら、普段のヘルパーのようにはいかないまでも、何とか一生懸命ケアにはいりました。

 

ヘルパーに依頼するのが難しい人もいます

ケアマネは専門的な視点から生活上訪問介護が必要であると判断して、利用者と合意を得ていても、まだ利用者自身が本当に訪問介護を受け入れる気持ちになれていない場合が多くありました。

 

また、暴力的な人であったり、クレームを言い何度もヘルパーの変更を要求されどのヘルパーもケアに入りたがらない人もいました。

 

そんなケースもヘルパーさんに無理強いできないので、自分がケアに入っていました。

 

しばらくケアに入りながら、訪問介護というサービス自体になじんでいってもらう、まずは軌道にのせることを目標にケアに入っていました。

 

(2)サ責を経験してみて気がついたこと

私はサービス提供責任者になる前はヘルパーをしていました。
そしてヘルパーの立場でケアに入っていた時と、サービス提供責任者の立場としてケアに入る時では、目線が変わったなと感じました。

 

ヘルパーのときは、その時のケアをどのようにより良くしていくかがほとんどでした。
ですが、サービス提供責任者になると、はじめケアマネとやり取りする中で、利用者を取り巻く環境や全体を見通した上でケアに入るので、一歩引いて客観的に見れる部分が多くありました。

 

例えば、サ責になってからは、クレームの多い利用者であったとしても、その方の、

  • 生活歴
  • おかれている家庭環境

などからの精神的状態が理解できるからこそ「今は相手に寄り添って傾聴しよう」「今日は予定のケアが全てできなかったとしても仕方ない、できる状態でないことをケアマネにフィードバックし評価していこう」という風に理解することができたと思います。

 

ということは逆に、ヘルパーにも利用者の基本情報、ケアの内容や目的だけでなく、その方の環境や生活歴や、ケアマネとどのようなやりとりや経緯があったかなど、踏み込んだ情報もヘルパーに伝えていくべきだと感じました。

 

そうすることで、ヘルパーも利用者に対して「自分ごと」として仕事に取り組んでくれるような気がします。

 

(3)利用者からヒアリングできる良い機会

自分がヘルパーとして利用者と接することで、普段のヘルパーに言えない不満などを利用者から聞くこともあります。

 

ヘルパーとしてケアに入る時こそ、利用者の一番日常に近い状態を見ることができるのではないかと思います。